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2011年09月27日

チリと中国のメディアから、取材されました。


最近海外から手もとに届いた雑誌2種類。
どちらも、『here and there』と、その作り手として
私をインタビューしてくれたものです。

●チリの『PROFILE ZINE』

2011年7月に発行された第二号。突然取材のメールが来た時は、
「こんどはチリから……」とその距離の遠さに愕然としたものです。
もちろん、嬉しい驚きです。



取材から随分間をおいて届けられた待望の冊子。
表紙はHimaaさん、登場作家に河井美咲さんと、Zineで活躍している日本人など。
メキシコ、チェコ、スイス、イギリス、アメリカなど
さまざまな国籍のアーティストや出版関係者とともに並んでいます。



目次のあと、突然始まる私のセクションは、スーザンと私が2002年頃、
資生堂のトークサロンで対談している写真(左頁)と、エレンと私が2005年頃、
パリコレの最中にパリの街中を歩いている写真
(右頁/撮影したのはnievesのベンジャミン・ソマホルダー)。



取材は冬ごろうけた気がするので、まったく内容を忘れていました。
自分のインタビュー頁に掲載されている写真が意外で、びっくり。
そうだ、あの頃は、山崎直子さんの本を読んで、
ママと宇宙飛行士の仕事の両立の大変さに、感じ入っていたのでした。

その彼女の最近のニュースは、第二子をもうけて育児と教育に力を注ぐ、だったはず。
彼女の思いが遂げられるように応援のエールを送りたいです。



自宅から見える風景の写真を送ってね、と言われて送った、
息子の背中入りの写真が大きく使われています(右頁)。
左側には、私が育った地域が日本地図のなかにマークされている。
紹介要素のなかで時系列ささまざまにとんでいて、
なんとも、不思議な気分がしますが、自分が日本のメディアに外国の人を紹介するときも、
そんなことをやっていたんだろうな、という気がします。

Profile zineは確か今年の8月、シンガポールで展覧会をやったはず。
私は超特急で『hereand there』の表紙画像を送ってくれと、頼まれて対応したのですが、
展覧会はどうなったんだろう。編集者のEmilio君にいつか会えるのかな。

●『知日』第二号



さて中国から現れた、日本の同時代カルチャーを
従来にない目線で伝える雑誌『知日』第二号。メイン特集は何と「制服」です。
結構日本通が設定しているなと思える特集テーマ。
そこで紹介されているのは「制服」を切り口にした幅広い世界……








今昔の制服、多彩なイメージ(JALスチュワーデスの歴代制服も)。
アニメや刀剣趣味、祭りから、デザイナーの佐藤可仕和さんまで紹介されていました。

この特集も、意外な頁と意外な頁が接続されていて不思議な感覚。
でも「うわべだけではない」という本気さがうかがえますし、
「読み解こう」という熱意が伝わってきます。

この雑誌のなかの定例、雑誌特集頁で
『here and there』を6頁にわたり紹介してくれました。







中国語なので読めないのですが、受けた質問で良く覚えているものが一つ。
それは、『here and there』をみていると、映画監督の河瀬直美さんに共通項を覚えるのだが、
作者としてはどう思うか?  というものでした。

世界で1500部の『here and there』と、
世界的映画監督の河瀬さんを一緒にしていただいていいものかどうか。
その視点には非常に驚きましたが、やはり嬉しい驚きでした。

どちらも、もしかしたらもう、最新号が出てるかもしれません。
それぞれに、興味深い媒体だと思いますので、
ご興味のある方はチェックなさってください。(林 央子)

posted by nakakobooks at 11:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | here and there news | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月21日

スーザンの2012SSコレクション発表



9月13日にNYで発表されたスーザンの最新コレクション画像は
こちらからご覧になれます。

http://cargocollective.com/rosalieknox#2006311/SUSAN-CIANCIOLO-S-S12
posted by nakakobooks at 18:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | here and there friends | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月18日

京都でスーザン・チャンチオロ展  9月30日まで






HINAYA KYOTO 清水五条坂店で、
スーザン・チャンチオロ展が開催中です(2011年9月30日まで)。
この展覧会関連記事を、ウェブマガジンVeritaに執筆しました。
http://new.veritacafe.com/archives/3540747.html

9月4日には、HINAYAさんのご招聘により、展覧会を開催中の店内で、
トークをさせていただきました。


今回、スーザン自身は来日しませんでしたが、たくさんのドローイングやそこに置かれたものたち、
どの冊子をとっても1頁ずつ内容の違うZINEなど、あらゆるものがスーザンの息遣いを伝えてきます。

小さな部分に、魂が宿るようなスーザンの作品。
こんな小さなバッグ一つにも、世界観がこめられていました。





スーザンがHINAYAの倉庫に眠っていた生地をよみがえらせた服、
HINAYAの工房で染めや織りのコラボレーションから作り出した作品、
昨秋の京都滞在中、新たな出会いから派生したコラボレーションによる品々
(たとえばmina perhonenのファブリックを使ったボウタイなど)等々がありました。

また、ファウンド・オブジェクトを自分の作品に再利用するスーザン。
なかには京都で見つけたものに自分の手を加えた作品なのかな? と想像させる、草履や和装小物も。



会場になったショップは、京都西陣から生まれたテキスタイルメーカーのHINAYAさんが、
今年初めて設けられた路面店です。

西陣織の帯地で知られるHINAYAさんが独自に開発したスペシャルな織り機が置かれていたり、
来店した人が自由に織っていけるコーナーや、
染物、織り物に関する貴重な文献を閲覧できるコーナーもあります。

周辺は、清水焼のお店がならぶ地域で、京都ではおすすめのスポットとされている河井寛治朗記念館も近く。
京都に行かれた方は是非、足を運んでみてください。(林 央子)



個展「スーザン・チャンチオロ展」
期間:2011年9月1日(木)〜9月30日(金) 10:00〜19:00
会場:HINAYA KYOTO清水五条坂
   〒605-0846 京都市東山区五条橋東4丁目452 ラティエール五条坂1F・2F
Blog:http://hinayagojo.seesaa.net/
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2011年08月18日

スーザン・チャンチオロ、8月の移動レストランプロジェクト





スーザンが今年6月からはじめた
1日かぎりのシェフ・プロジェクトが、
8月22日夜、NYで開催されます(参加:一人125ドル)。

今回は京都の老舗「尾張屋」のアリコさんを
ゲストシェフに迎え、
冷たい蕎麦、ポン酢で味わう牡蠣、グリルした野菜のスシなど
スペシャルな和風メニュー。

RUNコレクションの後期から
フードはスーザンの表現のなかの強い関心事ですが、
出産後の生活のなかで
最近はますます、食という表現に傾いているようです。(林 央子)


posted by nakakobooks at 18:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | here and there friends | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月09日

『拡張するファッション』 が できるまで と できてから

『拡張するファッション』発売日から、10日がたちました。

思えば、震災時は原稿の最終修正期間中で、改めて書き直し作業を行なったりしていました。
原稿を整えてからは、超特急で進んだこの書籍プロジェクト。その進行を、
少し巻き戻して4月から辿ってみました。


4月5日 
肩こりがひどく、整形外科へ。根をつめた原稿執筆が続いていたから?


4月6日 
入学式。今年は2年生なので去年より気持ちに余裕がある。
でも、環境の変わり目に子供は不安定になるもの。
ただでさえ震災後不安定だった息子がますますナーバスになる。
でも、入稿作業をすすめないといけない。

4月10日 
日曜日に服部一成さんの事務所を訪れ、自宅から持ち出した過去資料を複写していく。
編集者の岡澤浩太郎さんは台湾出張がえりで羽田から直接撮影に向かってきた。
手土産に、パイナップルが入ったお菓子を皆でいただく。

4月12日 




10時〜 ホンマさんに、スーザンの服を使って、表紙の撮影をしていただく。
この日、撮影した服を思い切って購入。あとで VACANTのイヴェント トークイヴェントはこちら)で展示されることになる。撮影後にランチしていると、また余震。
「このくらいじゃ、もう驚かなくなりましたよね」と、
お店のスタッフに余裕をもって笑うホンマさんだが、ガラス張りのカフェにいて、相当怖かった。
撮影の後、服部さんの事務所に立ち寄り、複写が必要な資料の追加分をお渡しする。

17時〜 マゴさんと藤田さんと2回目の打ち合わせ。21日におこなう DOMMUNEのトークのためだ。
いろいろ雑談するうちに、「あ、石田さん(もと流行通信編集長、現在ギャラリーここスタッフ)も呼ぼう!」と、急展開。


4月13日
最後の最後までひっぱった年表作成の締切日。本文は一足先に入校していた。


4月15日



ホンマさんの撮影のベタ焼きが服部事務所に届き、皆で選ぶ。
服の特徴を説明しながら、服部さんがシールを貼って行く。
ここから先は主に、服部さんのデザイン作業の段階に入る。

4月21日
DOMMUNE初出演。ずーっと引きこもって執筆していたので、
あのような華やかな場にいくと地に足がつかない感じ。
しかもustがあるので、宇川さんの司会のもと、どんどん話が広がっていく。

自分の家からもちだした資料が何とVHSだったが、ちゃんと再生できて、それらも流すことができた。
40分伸びて2時間40分のトークが終わったあと、マゴさんの行きつけのお店に皆で流れる。
そこで出た話もとても、楽しかった。途中ムラカミカイエさんが駆けつけられ、ご紹介いただく。

深夜に帰宅するのは、本当にひさしぶりだ。
帰り道、ドミューンを聞いてくれた梶野彰一さんのツイートを見つけて、とてもうれしくなった。
そして自宅に帰ったら、たくさんのツイートが集まっていたことを知り、びっくりする。

4月28日
入校出力紙をもらう。これで、連休は休みなしということが実質的に明らかになった。
休み明けまでに、校正をしなければならないからだ。
家族に「連休だけど、休めない」と宣言。
でも、そんなに外出予定があったわけでもなく、普段の生活とあまり変わらない。

連休明けのどこか日付けを忘れてしまった。
どこかで赤字を戻し、「原稿よさようなら〜」ということになる
(もう、後戻りはできないというか、追加修正はなし、ということ)。
それまでに、もう随分読んだ原稿。フセンがたくさんついているし、相当たくさんの紙を出力した。
発端からさかのぼれば、一年がかりだ。さびしい気もするし、ほっとした気もする。

5月13日
夜、高円寺駅でマゴさんとスプツニ子! さんを待つ。
私たちは、スプ子さんにお目にかかるのは初めて。
ツイッターや動画、DVD作品ではお目にかかっているような気がしていたけれど。。。 

ご本人に会っていると、作品の背後にある一貫した思想というか、アツい思いが伝わってくる。
やはり、アーティストの素顔に会えることは良いことだ。
伝染力のある作家だからこそ、これまでも若くして多数、作品を形にしてこられたと思う。
6月26日の「 スプ子の勝手にシューカツ!」イベントのトークに、
マゴさんと二人、呼んでいただくことになる。




5月14日
さっそく、初めての、著者インタビュー。
STUDIO VOICE ONLINE です。
かなり長時間にわたり色々聞いていただく。
その時はわからなかったけれど、発売日直前にアップされたために、
とてもたくさんの人が記事を読んでくれて、話題にしてくれたと思う。

5月15日
こんどは刊行イベント展示のなかの、映像についての打ち合わせ。
以前から時折やりとりをさせて頂いていた@Blessmomentさんこと平野さんにお越しいただき、
編集チームとともに、3331 ARTS CHIYODAで打ち合わせ。

5月17日
著作とは関係なく、 6月10日発売のGINZA7月号
アート欄連載のために、小池一子さんを取材。
でも、小池さんの存在自体が、枠を飛び越えて何かをしようとする意思の塊のような方なので、
最近の執筆とひとつながりの体験のようにも思えた。
とても率直で、愛にあふれた、素敵な方で、感動した。


5月21日




二つ目の取材。服部一成さんの 『服部一成グラフィックス』
と私の 『拡張するファッション』
2冊の刊行記念対談(6月15日発売 BRUTUS)。
電車のなかで改めて、服部さんの本を読みながら好きな頁の写真を撮る。
服部さんの事務所に礒部昭子さんが撮影にこられ、とてもいいツーショットを撮ってくださった。

5月26日
三つ目の取材。梶野彰一さんが撮影と、インタビュー(ウェブマガジンVERITA)。
そのまま編集部の方とも話しがとてもはずんで、ランチへ。

梶野さんは、なんと今、うちの目の前のマンションに住んでいる。
偶然でお互いにびっくりなのだが、かなり都心と違うムードがただよう自宅近辺で、
オシャレなパリの臭いをいつも漂わせている梶野さんと、
近所でばったり! の日がくるのを、とても楽しみにしている。


5月27日




11時から VACANT トークイヴェントはこちら)設営。イベントスタート日だけど
その日の朝から設営しているというすごい状況。。。途中で来られた方には申し訳ない。。。
でも、永井さんと大神さんが、展示材料を見てとても良い展示を見る間に、DIYで作りあげてくれた。
その速度は感動ものだ。
平野さん(@Blessmoment)の映像をスクリーンで流すことができ、
私にとっては非常に貴重な展示が実現できた、と思う。
こんどの書籍とともに、here and thereのバックナンバーなども並べていただく。


息子の帰宅と歯医者の時間に合わせ途中で失礼したが、
そんなことで奔走しているうちにいつのまにか STUDIO VOICE ONLINE
の記事がアップしていた。

この日の夜、私へのtribute zineということで、
山口智子さん、伊藤さちさん、宮園夕加さん、中島紗江さんという4人の女性アーティストが、
私のつくってきた本などへのオマージュ的なzineを作成し、それを一つの袋につめた「for nakako girls」がVACANTに納品された。
私も一部、送っていただいたけれど、どれも素晴らしい。
4人の方たちはそれぞれ、ちいさな歴史ともいうべき、おつきあいがある。

5月28日
書籍発売日。実は、息子の運動会予定日でもあった。しかし、雨。ただ、家にいた日。

5月30日
横尾香央留さんのFoilの展示最終日。
行きたかったのだが、6月3日金曜日に SPBSで行なうガーリーカルチャーのトーク
(というかレクチャー?)の下準備などもしており……結局、行けなかった。残念です。
今度一緒にお昼食べましょう、とケータイにメールする。

5月31日
息子の運動会。朝から夕方まで紫外線の直下にさらされる。子供より親が疲れる日。

6月3日
以前から熱心にコンタクトしてくださっていた渋谷パブリッシング(SPBS)さんで、
ガーリーカルチャーをテーマにしたトークを行う。
「大学の授業みたいだった」とおっしゃった方がいたが、私としては、90年代の回顧ではなく、
当時のスピリットがどう今と連結しているかを語りたかった。
その思いを受け止めて下さったSPBSのスタッフの方々に感謝している。
その日、忙しいはずだったのに、ホンマさんが来てくれていて嬉しかった。


6月6日
スーパーで買い物をしていると、服部一成さんから電話。
来月ABCで行う予定のトークの、細かい打ち合わせの内容だった。
買い物かごを床に置いて立ち話をしていると、息子が両手で、棚から落ちそうになった
メロンを必死に支えている。なぜそうなったのか? を問う間もなく制止しなければ。
こういう突発的な「おさるのジョージ」的場面は、ごく日常的なものだ。
仕方がないので、あとからかけ直させていただく。


6月7日


ハイファッションオンラインの取材で、
インディペンデントキュレーターの兼平彦太郎さんと対談する。
私から兼平さんと、というお願いをしていたのだ。
いろいろな所でお顔を合わせていたが、きちんとお話するのは初めて。
ホンマさんの展覧会を実現させた功労者として、きちんととご紹介できればと思った。

はた、と立ち止まれば、本の発売日からほぼ、10日がたったところだ、と気がつく。
夕方、子供を歯医者につれて行く途中、版元のブルース・インターアクションズ稲葉さんから電話。
渋谷のロゴスで『拡張するファッション』が第4位になっているという。
それは凄い話! 勇気づけられた。

6月8日
子供に起こされる事が多い私は、早朝に目覚める癖がついてしまっている。
柔軟体操をしてから、ツイッターの Togetterをはじめてやってみている。本が出た後の反応、等々。
これも編集だなと思いつつ、機能操作がうまくいかなくて、時間がかかる。相当初心者っぽい。
さらに、「トゥギャる」という言葉に違和感があって、どうしてもこれが、発語できない。

気がつけば初売から10日目なので、メイキングを含めた文章をブログに残そう、と思い立った。(林 央子)
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2011年05月22日

林央子 今年の執筆 第二弾


●2011年5月19日は、
一年がかりで作りあげた初の著作集『拡張するファッション』の見本誌が届き、
特設サイトが立ち上がり、刊行記念イベントも告知されたという、
3つの出来事が集中した、記念すべき日になりました。



特設サイトはこちら


○一方で私の個人的な仕事のなかでは、2010 年の年末から今年にかけて、
いくつかの新しい執筆プロジェクトがありました。

それは一つ一つがとても貴重なもので、
自分にとってもとりわけ重要な執筆の機会になりました。

その場をくださったそれぞれの方にお礼を申し上げたく、
また媒体諸氏にも感謝を抱きつつ、最近の執筆を振り返ります。


2011年2月〜3月






美術手帖のホンマさんの原稿、やっと入校に至る。
原稿をかいて、写真のレイアウトとあわせ、そこで少しずつ写真とのつながりを考えて訂正したり、
を何度か繰り返したので日づけは忘れてしまった。

3月17日の発売予定日直前、3.11の東関東大震災が発生した。
その後多くの人と同様に不安な日々を過ごしたが、雑誌が発売予定日に書店についに登場したときは、本当にうれしかった。

執筆中、何度もかつてない肩こりに襲われたが、
この1万字原稿を書けたことは本当に有意義な体験だったと、
金沢21世紀美術館のあと、東京オペラシティ展を見て、サテライト展をいくつか見たあとの今も、強くそう思っている。

ホンマさんのように、周囲の人に「問い」を発し続ける人は、批評活動が目につきにくく、
消費を軸にすべてが動いていくかのような<東京>のクリエイティブシーンにおいてはとりわけ、稀有な存在だ。
そういう作家と同時代に生きているということは、何と楽しいことだろうか。

2011年2月末以降




また、突然のメールがきた。
なんと、あのおしゃれの総本山であろう、マガジンハウスの『GINZA』編集部からのメールだった。

実はフリーになって10年間、これまで一回もお仕事したことのない媒体だったのだ。
でも「リニューアルがある」ということで、急きょ東銀座のマガジンハウスまで、出かけていった。
数回しか来たことがない会社なので、しばらく受付で周囲をキョロキョロ見渡した。

あたらしく編集長に就任される中島敏子さんにお会いした。
彼女はとてもカルチャーに詳しく、私が舌を巻くくらい。
以前私に貼られたことのある「サブカル好き」というレッテルは、
本当はこういう方のためにあるべきなのではと思うくらいで、感動した。
リニューアルした誌面を手にしてさらに感動した。痛快だった。久しぶりに雑誌から衝撃を受けた。

ADは私が10年前に『パリ・コレクション・インディビジュアルズ』(リトルモア)を2冊、
一緒に作った旧友の平林奈緒美さん。彼女の良さがとても生きている。
「個」をもつクリエイターが、日本のメディアにおいて、こういう生かされかたをするケースは、珍しい。

『GINZA』5月号からアート欄で連載させていただいている私は、
毎回他の方たちの痛快な原稿を読むたびに、ますますはげまされ、自分も頑張って書こう! という決意を新たにしている。
ファッション誌というもの、ファッションというものが、新たな拡がりをもちうる可能性を、感じている。

2011年4月某日






『服部一成グラフィックス』が届く。あまりの豪華な内容にくらくらする。
ホンマさんの撮影、仲條さんの文章、蜂飼耳さんの文章、服部さんの作品群や服部さんの作品解説……。
その中に、自分の原稿が入っていたり、
そして服部さんのお仕事として過去の『here and there』のビジュアルが入っていることがとてもうれしく、
光栄で、ちょっと信じられない。



posted by nakakobooks at 16:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | here and there news | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月21日

林央子 今年の執筆 第一弾


●2011年5月19日は、
一年がかりで作りあげた初の著作集『拡張するファッション』の見本誌が届き、
特設サイトが立ち上がり、刊行記念イベントも告知されたという、
3つの出来事が集中した、記念すべき日になりました。



特設サイトはこちら

○一方で私の個人的な仕事のなかでは、2010 年の年末から今年にかけて、
いくつかの新しい執筆プロジェクトがありました。

それは一つ一つがとても貴重なもので、
自分にとってもとりわけ重要な執筆の機会になりました。

その場をくださったそれぞれの方にお礼を申し上げたく、
また媒体諸氏にも感謝を抱きつつ、最近の執筆を振り返ります。







2010年12月 
クリスマスごろの某日〜


ホンマタカシさんから突然メールが届く。
「『美術手帖』4月号の特集で、林さんに文章書いてもらいたいんですけど」

知り合って15年以上20年未満のホンマさんから、
初めて聞いた言葉に驚きつつ、「それは光栄です!」と返す。

『美術手帖』から巻頭特集を打診されたホンマさんの構想は、
金沢21世紀美術館で年明けから始まろうとしていた
『ニュー・ドキュメンタリー』展にちなんで、
「ニュー・ドキュメンタリー展のドキュメンタリー」を誌上に展開すること、だった。

執筆に際してはもちろん、取材はするけれど、
執筆ではあえてホンマさんの言葉を直接的に拾わず、私が「見た」、
そして「見てきた」ホンマさんを、ボリュームのある文章に表現すること。
それがミッションだった。

特集は巻頭の約80ページ。そこで私はお正月明けの早々に、雪の金沢へ飛んだ。
ただでさえ資料でいっぱいな私の室内は、
年末以来これまで長く一緒に仕事をしてきたホンマさんに関係するもので、
いつのまにか自宅に集まってきていた過去の資料から最新のアサカメ対談のコピーまで、
あらゆる紙が散在するアーカイブ空間となった。

そしてなんと金沢21世紀美術館には、
2月に行なわれた阿部海太郎さんとのコンサートまで、2度も足を運ぶという幸運に恵まれた。




「絵巻物みたいに、上のほうには会場写真がずうっと流れていて、下には上の写真と関連なく、
林さんの原稿がずうっと流れる。僕も取材をうけるけどその言葉はいいから(笑)
林さんは、これまでの15年間をぐぐぐーっと記憶巻き戻して:笑」

というホンマさんの発想にインスピレーションを得つつ、
編集の藤田さんや高橋さんと相談しながら誌面が作りあげられた。






2011年1月
誕生日付近の某日〜


服部一成さんから、携帯に電話を頂く。
突然だったので驚いたけれど、その内容にまた、驚いた。

「こんど僕の作品集が出ることになって、ごく少数の人に原稿をお願いしているんですが、
林さんには、僕のデザインどうこうということじゃないことで、文章を書いてほしいと思うんです」。

服部さんとのつながりも、ホンマさんとのつながりのように、
あいだにいつもお仕事があって、そしてかれこれ、10年になる。

お仕事するたびに思う。言葉数の少ない服部さんがぽつりぽつりと発する一言に、
意味がないものはまったくみつからない。

『here and there』が一冊できるまでに、服部さんの口から出た言葉の数を数えたら、
数それ自体は、本当に少なくてびっくりするくらいだろう。

でもいつも、ちゃんと深いコミュニケーションができている。
だから服部さんの口から出る言葉は、注意深く聞くし、聞き逃せないものばかりである。



確かに服部さんのグラフィックデザインについて私が云々するのは、
これまでの経験や学習からいっても、筋違いな気がする。

もともと私は、たとえばファッションに対しても、
デザインとして学んだこともなければ、論じたり文章を書いているわけではないのだ。

その作家のもつ世界観とか、
その発表の場に漂う空気とかに吸い寄せられるようにして近づいていく。

それでは何を私は書けるのだろうといろいろ考えていたら、
考えているうちにいつのまにか原稿が書けてしまっていた。

すぐに服部さんに読んでもらって、意図にそうものかどうかお尋ねし、
「とても面白いです」とOKを有難く頂いてから、締め切りの日までしばらくの間寝かせた。

そして締め切りの日にぱちっと目が覚めて、推敲し入校した。

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2011年03月27日

医療スタッフとして東京から被災地に向かった、あるナースさんの日記 2011年3月16日〜23日

http://blog.goo.ne.jp/flower-wing

これは、震災後、普段は東京都で勤務していて、被災地に派遣された看護師さんが、
現地では携帯でかきためていた体験記をまとめてブログにアップした、
「この目で見てきたこと、感じたこと」の日記です。

ナースの彼女が、想像を超えた壮絶な現地ですごした、
3月16日から23日までの一日一日、そのリアルな8日間と、
東京にいながら私たちが、日々刻々と変わるニュースに釘付けになり、
緊急地震速報のたびに机の下にもぐり、
信じるべきものを何度も見失いそうになりながら、
ぐらぐらした気持ちのなかですごしていた8日間。

JKTSさんが後半、書かれているように、
彼女の手記を読んでいるこの私も、どちらが現実でどちらが非現実なのか
読み進むにつれ、わからなくなってきました。

東京にいて、便利な暮らしを続けながらも、
被災地の夢を見たり、眠れなくなったり、
自分というものをいつもの状態につなぎとめることが困難な時間を、
多くの人が過ごしていたことと思います。
それはきっと、どこかで、
人と人の無意識が繋がっているからかもしれない、とも思います。

JKTSさんのような医療関係の方々。自衛隊の方々。
日々新たな問題が勃発してくる原子力発電所内で今だに働き続けている方々。
ほかにもたくさんの方々が、過酷な状況のなかで、復興という希望にむけて
日々戦っているはずです。

その実態を、メディアに囲まれた東京にいる私たちは、
ほんの一部しか知ることのできないでいる。

JKTSさんがこうして、書き残して下さった文章は、本当に貴重なものです。
その文章を何度も読み返しながら、私は今の自分にできることを
一つ一つ積み重ねながら、続けて生きて行くことになるのだろう、と思います。(林 央子)

posted by nakakobooks at 23:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | here and there news | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月22日

震災へのお見舞い




このたびの震災で、多大な被害に遭われた皆様へ、
心からお見舞いを申し上げます。

そして、一日も早い復興を、
ふかくお祈りいたしております。

スーザン・チャンチオロからメッセージが届きました。
「今も、いつも、祈っています。
私の祈りと、光と、愛と、エネルギーが届きますように」




photo by Susan Cianciolo
posted by nakakobooks at 22:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | here and there friends | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

スーザン・チャンチオロの2011―12AWコレクション、ニューヨークで発表



京都西陣のテキスタイルメーカー、 HINAYA の招聘を受けて
昨年11月、1カ月にわたり、娘のライラックとともに来日し、滞在制作を行ったスーザン・チャンチオロ。

HINAYAが独自に開発した特別な織り機の数々や、
草木染のノウハウに興奮しながらコレクションの軸ができあがっていきました。

「この工場は私にとって、宝物の山みたい! 私はここにいて、毎日のように新しい宝物を発見するのよ」と、
制作中とてもエキサイトしていたスーザンでした。



まだ2歳半の娘をつれて、まったく違う環境で制作滞在した現実は、なかなか大変なもの。
その、親子2人の傍から支えていたのは、ニューヨークでスーザンと出会い、
長年の親交関係にある写真家のアリコさん。

彼女は実は、京都御所すぐ近くの老舗そば屋・尾張屋さんのお嬢さんで、
取材にいった私のことも、おいしいおそばとともに暖かく迎えてくれました
(このときの、スーザンの制作レポートは1月20日に発売されたecocolo54号「愛のカタチ」に6頁掲載されています。 http://ecocolo.com/magazine/





2月16日にはニューヨーク・コレクションの終盤に、
京都で制作した新コレクション「When Building Meets Sky」の発表が行われました。


ショーにおける服の構成において大活躍したのは、
ニューヨーク在住の着物スタイリスト、キモノヒロさんとのコラボレーション。
彼女のサイト
には、発表当日に至るまでの制作舞台裏の様子が詳しく出ています。


スーザンの作成したコレクションとヒロさんの着物をミックスしながら、
カリオグラフィー・アーティストを交えて、
モデルも自らも踊って服をみせるという、とてもアクティブなショー。


キャットウォークのショーを見なれた観客たちも、
その生々しい熱気にスタンディング・オベーションで盛り上がったようです。
VOGUE ITALIA のWEBサイトにもスーザンのショーが載っています。

スーザンは4月末に来日して京都でショーを行う予定があったのですが、
今回はこのショーのために力を入れ過ぎて体調を崩したために、健康上の理由で断念。
ショーの開催予定は残念ながら、なくなりました。

でもHINAYAさんとスーザンのコラボレーションは続行の予定で、
今後いつか、スーザンのショーを京都で見ることができるのでは、と思います。
今回重要な振り付けを行ったのは、スーザンがパーソンズで教えていた生徒で若いアーティスト。





スーザンがRUNコレクションで見せていたインスタレーションとも、
2000年代にキャットウォークのショーを再開してからの見せ方とも、まったく違う、
生々しい舞台での見せ方との出会いにスーザン自身「This is my new deperture! 私の新しい出発よ!」と興奮しています。




仕事しながら育児をしている母親は、気がつかないうちにとても体力を奪われているもの。
そんな環境にありながら、アーティストとして力強く前進し、
変化しつづるスーザン・チャンチオロの行方はいつも、楽しみです。

そして、周囲にいる多くの人が彼女のそのアーティスティックな姿勢に
サポートを惜しまないのも、理解できると思うのです。(林 央子)

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